何から書けばいいか・・・講演は始終ユーモアで大笑いした。なのに、彼は静かに深く怒ってる・・・彼が日本に来た理由から始まり、昆虫少年だった彼は漢字への興味が昆虫のそれと同じで昆虫を見るように漢字を見るのだという。日本語の<だんごむし>は英語で<Pillbug>と言うそうで、英語で丸薬のまるまっちゃうって感じなのに日本語だとだんごになっている・・・のように同じひとつのものが日本語と英語では違うものになる体験からできたのが、絵本作品「ことばメガネ」。
「ホットケーキできあがり」(アーサー・ビナード訳)はエリック・カールさんの食についての深いメッセージ。ホットケーキミックスで簡単に作れるホットケーキがこの本では小麦粉は麦を刈り取ることからはじまる。食卓に並ぶまでに見てない(見えない)生産者をちゃんと知ろうとしなくては、と思えてくる。
「プレッツェルのはじまり」はなんと食品偽装問題だと明言する。そして「ダンデライオン」は広告がテーマ。広告に振り回されるライオンの姿だという。広告と現実をどう見抜くか、情報を見極める力が必要な社会になっていることを危惧する。
私が少し前から会報会員になっている児童文学と科学読物の会会報「科楽知タイム」にアーサービナード氏の新聞記事がはさんであった。「嫌なもの」見つめようという見出しだ。
彼はこの講演会でもはっきり言った。特定秘密保護法が成立してしまったことへの危惧。安倍政権のもとでアメリカ軍の下請けの下請けで戦争放棄と言い続け日本人の孫世代が兵役につくのだ・・・
宮沢賢治の詩「雨にも負けず」を選ぶのか、「かいぞくゴックン」の世界を選ぶのかは私たちなのだ。
正直私は政治はわからない、で、きた。嫌なものに目をつぶってきた。見ようとしなかった。・・・・・
笑顔を絶やさないで、やさしく静かに話されるビナードさんは怒っています。とても柔らかく静かに深く・・・・
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