脇明子さんが鳥取(今回は智頭町です)で講演されるのはたぶん3回目(か、4回目?)だと思うのですが、何を於いても行かねば、と思っていました。小学校低学年のときはたくさん本を読んで(借りて)いた子が高学年になると読まなくなるという実態の原因は何か、に明快に答えて下さったのが脇明子さんの「読む力は生きる力」と「物語が生きる力を育てる」です。先月読書アドバイザーの研修でもこの本をテキストに使わせていただいたところでした。
「読む力は生きる力」を熟読すると、私にはよく理解できないところがいくつかあったのですが、今回の講演でかなり解消できたように思います。
<なぜ読書が大切なのか>の答えのひとつになるのですが、「大人まかせではすまなくなる年齢、自分というものと向き合うことを迫られる年齢(略)にカニグスバーグ、マーヒー、ケストナー、リンドグレーンなどの作品が身近なものになっていたらどれほど大きな助けになることでしょう。」という文は私にとって切実な思いでした。これらの作家の本は、苦しさの心の描写が自分と同化してくれ、苦難を乗り越えようとするときの感動は、”ちょっと面白い”程度の本とは全く感動の質がちがうのです。心の深いところからとめどなく湧き上がるような、感動なのです。
そういう本はほっといてもこどもたちは手をつけません。そのための学校司書です。こういう本を手渡す技術のあれこれをぜひトライしなくてはと思います。
ちなみに講演のタイトル「読む力が未来をひらく」は来春発売される脇明子さんの本のタイトルだそうです。楽しみです。
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